もんぢゃの吉が仕組んだ狐の嫁入り
どんな伝承か
もんぢゃの吉というならず者は、長者どんが良い嫁を探していると聞き、一儲けしようと企んだ。野原で化け比べをしていた狐たちに、油揚げと小豆飯を約束して花嫁役を頼み、長者どんには隣村の長者に良い娘がいると持ちかけた。狐たちは立派な館や美しい娘を見せて信じ込ませ、婚礼の夜には三十ほどの提灯を連ねて嫁入り行列を仕立てた。翌朝、提灯は馬の骨に、嫁は古狐に戻り、家中に狐の足跡が残っていた。呼び出された吉は、奥へ馬喰に行っていたと空とぼけたという。
原典より
上を見ると昨夜の提灯が皆馬の骨になつて居た。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。