曽源寺に住みついた古狢の幻術
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どんな伝承か
上郷村大字板沢に曽源寺という寺がある。昔この寺がひどく荒廃し住持もいなかった頃、旅僧が来て、化物がいれば退治してやると言った。翌日、山の麓の荒寺へ行くと本堂に爺が寝ており、二日二夜眠り続けた末に目を覚まして、自分は年久しくこの寺に住む古狢だと明かした。狢は極楽絵図さながらの景色を現し、僧が思わず念仏を唱えるとかき消え、続いて大洪水と船戦を見せた。僧が九字を切ると水は引き、屋根から大きな狢が転げ落ちて斃れた。村人はそれを埋めて堂を建て、狢堂と呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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