八百八歳の女の話
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どんな伝承か
江刺郡の生まれで八百八歳生きているという女の話がある。この女は八代の夫に嫁いだが、夫たちが老年に及んで死んでもなお非常に若かったので、当時その土地の麓山神社の普請のために来ていた若狭の国の番匠と一緒になり、ついに若狭へ行って住んだ。ある年、故郷の村の人々が伊勢参宮のため若狭を通ると、思いがけずこの女に会った。国を問われて奥州の某所だと答えると、女は自分の故郷もお前たちの村だと言い、学間沢の八幡社の境内の大木は今もあるかなどと尋ねた。それらは皆昔話に残る人や木の名であったので、一同はひどく驚いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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