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泉のほとりで蛇に纏われた女

所在地岩手県奥州市前沢白山稲置
年代大正十三年頃
登場某女三十一歳
出典佐々木喜善全集 1
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どんな伝承か

胆沢郡白山村字稲置の三十一歳の女が、八月七日に夫とともに田の草取りに行った。旱天に耐えかねて女が近くの泉のほとりへ水を飲みに行ったが、帰りが遅いので夫が迎えに行くと、女は泉のそばに横になって眠っている様子であった。夫が近寄って揺り起こそうとすると、女の腹に大きな蛇が纏い着いていた。驚いて大声で救いを求めると、付近の人々は火事と聞き誤って皆表へ飛び出した。その間に蛇は太股から離れてどこかへ姿を消した。女は目覚めても平気で、ひどく面白い夢を見ていたという。その後も土蔵の中で同じ夢を見て妊娠し、生み落としたのは大きな蛇の卵であった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))

『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。

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