老婆に乗り移る子どもの疳
どんな伝承か
子どもの疳が起こると鼻の下が赤くなり、始終いらいらして、ひどくなると転げ回った。引き付けを起こしてそのまま助からないこともあったという。臼井の丸屋には疳を治す家伝の灸があり、背中に据えてもらうとすぐ良くなった。酒々井には疳のまじないが上手な老婆がいて、近隣の村々から子どもが連れて来られた。老婆が拝んでいるうちに子どもの疳がしだいに老婆へ乗り移り、髪を振り乱して転げ回るすさまじい形相になる。そうなると子どもはけろりと治ってしまうのだという。船尾の虫神様も霊験があるとされ、石段を後ろ向きに降りると虫が切れると信じられていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。