書院広間の縁で腹鼓を打つ狸
どんな伝承か
木更津の証城寺の狸ばやしはよく知られ、昔の住職が大の音曲好きで近所の人に毎晩三味線を教えたことが、狸の話と結びついたのだともいわれる。佐倉の狸もまた腹鼓を打つ。下屋敷の書院の広間の縁に狸がやって来て腹鼓を打ち、ぽんぽんという音が聞こえたが、それ以上の害は何もなかった。この狸がいったい何者だったのかは、今もわかっていないという。
原典より
下屋敷書院広間のえんに狸が来てはらづつみを打ち、その音はぼんぼんと聞えた。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。