モッコの一言で止んだ姥捨て
どんな伝承か
上中津井のノメラ山には、姥捨ての言い伝えが残っている。昔は還暦を迎えた者を捨てる習わしがあり、ある時も老婆をモッコに乗せて担ぎ、山へ向かった。その道すがら、老婆は息子に、このモッコは大事にしまっておきなさい、いずれお前もこれに乗せられて山へ運ばれるのだから、と言い聞かせた。息子はこの言葉を聞いて思い直し、それからは姥捨てをしなくなったという。
原典より
息子はこの言葉を聞いてから姥捨はやらなくなったという。—— 北房町史 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北房町史 民俗編
『北房町史 民俗編』は、北房町の町史民俗編のうち、第十二章「伝説と昔話」の第一節「伝説」を収めたものである。上水田・菅野・中津井・宮地など町内の在所に伝わる、郡様の腰掛岩、菅野の七人みさき、八天狗の火消し、駒繋ぎの絵馬、長力牛之介の伝説、犬塚、断頭様、姥捨山、盗人が迫などの話を載せる。岩・泉・塔・社・地名ごとに見出しを立て、その場所と由来の言い伝えを短く記す。