川を流れる桃から生まれた鬼退治
どんな伝承か
爺は山へ柴刈り、婆は川へ洗濯に行くと、上流から大きな桃が流れてきた。婆が呼びかけると桃は流れ寄り、持ち帰って割ろうとすると中から子供が出てきた。子のなかった夫婦は桃太郎と名づけて可愛がり、桃太郎は強い若者に育った。そのころ村に鬼が出て人をさらい物を奪うので、桃太郎は黍団子を作ってもらい鬼ヶ島へ向かう。道々、犬と猿と雉が団子を分けてもらって供となった。鬼ヶ島では鬼どもが酒盛りをして酔いつぶれており、桃太郎が刀で切りつけ、犬が噛みつき、猿が引っかき、雉がつつき回して退治した。鬼の家にあった宝物を土産に持ち帰ったという。
原典より
10 よもぎむかし昔、むかしあるとごに、父親と男の子が住んでだど。—— 南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。