桃から生まれた桃太郎の鬼退治
どんな伝承か
おじいは山へしば刈り、おばあは川へ洗濯に行くと、上から大きな桃が流れてきた。持ち帰って包丁をあてると割れ、中から大きな男の子が出た。桃太郎はぐんぐん育ち、育ててもらった礼に鬼が島の悪い鬼を退治に行くと言い、きびだんごを握ってもらって出かけた。道々きじ、犬、さるにきびだんごを一つずつ与えて供にし、鬼が島では、きじが飛んで中を見、さるが門を開け、犬が爪で鬼をひっかいて退治した。宝物を荷車いっぱい積み、きじに綱を引かせ、犬に車を引かせ、さるに後ろを押させて帰ったという。関京子の語る類話も併せて収められている。
原典より
おばあが川でカサンカサンと洗っておったら、上からでかい桃がボコンボコンと流れてきた。—— 坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説
『坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説』は、天竜村坂部の民俗をまとめた民俗誌稿のうち、第十二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。さるかに合戦、へび女房、桃太郎、花咲かじじいなどの昔話を語り手の名を添えて土地の語り口のまま記し、先途の七人塚、お万さま、天龍川のかわらんべ、早太郎のひひざる退治など落人や土地にまつわる伝説を並べる。昔話を動物昔話・本格昔話・笑話に分け、伝説、なぞと続ける。