掘り起こされた経塚の祟り
どんな伝承か
黒岩山に行人岩と呼ばれるところがあり、洞穴には一本刃の足駄をはいた行人が住んでいたと伝えられている。その行人が持っていた経を埋めた経塚が太夫沢の出口にあった。大きさは椀を伏せたような形で、経千巻・黄金千枚・炭千俵・あらぐわ千枚が埋められていたという。洞穴に入ると祟りがあるとおそれられ、ある日、勇気ある若者が中に入ると鍋や椀があったが、それきり行人は姿を現さなかった。経塚は鉱山開発で掘り起こされ、塚の石を庭石に使うと腹痛や頭痛、怪我の祟りがあるといわれた。塚を掘った人夫が亡くなったため、跡に碑を建てて払いをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。