菖蒲を葺く由来
どんな伝承か
向原の佐藤コチョ(大正十三年生)が語った伝説。六月七日の祭に、屋根の棟へ蓬を飾る。その謂れは、昔、隠れ人が来てこの家に確かに逃げ込んだのを見とどけた者がいたが、その日は泊まらず、翌朝の目印にと蓬を置いていった。それに感づいた村人が一軒残らず屋根に蓬を葺いたので、来てみてもどの家か分からなくなってしまったという伝説だと語られる。
原典より
244 食わず女房羽田クマヨ (T14)18 笑炬燵入り316 炬燵入り舟久保兵部右衛門 (T4)19—— 向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。