棺から出た高僧佐棺和尚
どんな伝承か
盛町の内野家の墓から掘り出された赤ん坊は、洞雲寺の坊さんが引き取り、棺から出て来たというので佐棺と名づけられた。佐棺は十八歳になるまでこの地で育ったのち、修業のため遠い都へ旅立ち、二十年の間さまざまな修業を積んで、偉い僧とあがめられるようになった。十七人の弟子僧を連れて故郷へ帰る途中、ある村で誰がなだめても泣きやまぬ赤ん坊に出会った。佐棺は、この子は偉い人の弟子になりたいと言って泣いているのだと言って自ら抱きなだめ、その子は嘘のように泣き止んだ。佐棺はこの子も弟子に貰いうけ、洞雲寺へ帰って布教に努め、寺はいよいよ隆盛したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。