六部がけんかを絶やさぬ法印の家
どんな伝承か
柿之内には龍蔵院という当山派の修験がいた。『白河風土記』によれば本尊は不動で、元和元年に僧宗真院が常州から来て当地に住したことから始まるといい、護摩堂もあった。ところが明治の神仏分離の影響をもろに被り、龍蔵院は跡形もなくなくなってしまった。伝承では、神仏分離ののち空き家になっていた法印の家に六部が住みついたが、その六部の家ではけんかばかりしていた。これは不動様が荒いからであったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。