三万三千回の水浴びの果ての神ツケ
どんな伝承か
南沢の石塚チエミは、目が不自由で、一六歳のとき白子の蕪木マスに五年の年季で弟子入りしたワカドノである。修業四年目の秋、生家で二日にわたる神ツケが行われた。一日目は餅をついての振る舞いで、仲間のワカドノや親類を呼ぶ。二日目は水浴びを三万三千三百三十三回行い、体が寒さで震えるので終わるとしばらく寝かせられた。落ち着くと小袖を着、注連縄を張り巡らせた部屋で両手に幣束を持ち、仲間のワカドノの輪の中に入る。周りで唱え言をしていると、やがて鎮守様と八幡様がつき、弓をたたいていると祖母の仏がついた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史・自治体史(民俗))
『天栄村史 第4巻(民俗編)』第六節ほか所収の憑依と怪異・呪術・神社伝承。福島県天栄村に伝わる信仰と怪異を採録する。