葉に二人の名を書く不退寺の縁結び椿
どんな伝承か
不退寺の境内にある椿で、枝が二股に分かれている。想い合う二人の名をこの椿の葉に書き、本堂の聖観音に願をかけると、二人は必ず結ばれるという。聖観音は在原業平の作と伝えられる像である。昔、業平はこの寺に住み、多くの女性から慕われていたが、歌姫と結ばれることを願ってこの椿に祈りを込めたとも言われる。伝説の大木はすでに枯れてしまい、今はそのかたわらに若木を植えて大切に育てている。
原典より
枝が二つになっていて、この椿の葉に愛し合う二人の名を書き本堂に安置されている聖観音(伝在原業平作)に祈願すると、二人の縁は必ず結ばれるという。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。