柱建ての口実で和尚の焼き芋を刺した小僧
どんな伝承か
けちで食いしん坊の和尚は、檀家からもらった食べ物を小僧に分けず一人で食べていた。ある日、生のさつま芋が届くと、和尚は自分の部屋の囲炉裏の灰に埋めて焼き芋にしようとした。一部始終を見ていた小僧たちは相談し、外で大風が吹くのを利用して、裏門の柱が倒れそうだと駆け込んだ。和尚が柱を直しておけと追い払うと、しばらくして小僧が戻り、「柱をこう建てました」と言いながら火箸を灰に突き刺して焼けた芋を持ち上げた。次の小僧も同じ手で芋を刺し、和尚はばつが悪くなって褒美だから食べろと言うしかなく、残りの小僧も加わって焼き芋はすべて小僧たちに食べられてしまったという。
原典より
昔々、あるお寺に、相当けちで、食いしんぼうの和尚さんがいました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。