枇杷の種を小僧の尻に仕込んだ和尚
どんな伝承か
けちで悪知恵の働く和尚のいる寺に、近所の人が籠いっぱいの枇杷を届けた。和尚は明日いただこうと言って自分の戸棚にしまったが、夜中に一つ食べると甘くて止まらず、全部平らげてしまった。和尚は食べた枇杷の種を集めて小僧たちの寝ている部屋へ入った。翌朝、小僧たちが枇杷を食べようと言うと、和尚はお前たちが食べたくせにととぼける。証拠があるのかと小僧が怒ると、和尚は便所へ行けば昨日食べた枇杷の種が尻から出ると言い、実際に小僧たちの尻から種がいくつも出て来た。夜中に和尚が自分の食べた種を小僧の尻に押し込んでおいたのだという。
原典より
昔、あるお寺に、とってもけちで、悪じえがあって、くいしんぼうで、意地がわるい和尚さんがいました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。