月影で敵の目をくらませた三日月石
どんな伝承か
丹生城跡の南方に三日月石という石がある。上面に長さ一メートル、幅三十センチほどの三日月形のくぼみがあり、常に雨水がたまって枯れたことがない。城主の丹生四郎金乗が実際に使った石ともいわれる。金乗が高田小次郎の夜襲を受けたとき、高田勢が優勢で、金乗は女子どもまで集めて戦いながら後退を重ねた。高田勢が城の奥まで攻め入ると、この石に映った月影のまばゆい光に兵士たちは目がくらみ、近づけなかったとも伝えられる。またこの石の水は眼病に効くとされ、遠近の多くの人が信じていたという。
原典より
丹生城の跡の南方に、三日月石という石がある。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。