くぐれば病が治る井戸沢の金が橋
どんな伝承か
旧高瀬村の昔の鎌倉街道筋、井戸沢の中ほどの小川に架かる石橋で、長さ約二メートル、厚さ約三十センチの一枚石でできている。昔、ある鋳物師が金山彦命を刻んだ大きな碑を井戸沢に運び、その石で橋を造ったという。のちに村人が夜この橋を渡ろうとして横を見ると「金」の字が燃えるように光っていた。驚いて帰り、翌朝確かめに来ても何も見つからず、風邪を引いていたのに半日探して汗びっしょりになった。すると翌日には風邪が治っていた。この話から橋は金が橋と呼ばれ、橋の下をくぐるとどんな病も一夜で治ると言われて、村人は月に一度は橋をくぐったという。
原典より
旧高瀬村、昔の鎌倉街道筋の井戸沢の中程にある小川に架けられた石橋である。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。