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線香で追い払った何千匹の白まむし

所在地群馬県富岡市南蛇井
年代明治四十年
登場佐藤鉄学、線香と読経で蛇を追い出した僧
出典富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話

どんな伝承か

明治四十年ごろ、南蛇井のある家に何千という蛇が現れて家にからみつき、家族は住めなくなって主人一人を残し近所へ移った。蛇は白まむしで、噛まれても毒はなかったが、静かになると隅々や縁の下からきりもなく這い出してくる。祈祷をしても効かなかったが、裏の最興寺の一色家の前に住む佐藤鉄学という僧が、線香を山ほど買わせて縁の下から二階まで家中で焚き、仏壇の前で一心に経をあげた。すると裏手でさあさあと風のような音がし、見に行くと蛇がぞろぞろと裏山へ登って行き、竹藪の葉を揺らす音だったという。蛇は退散した。十年か十五年後、はげ山の東のミカサ山の岩の上に、蛇の抜け殻が山肌の見えないほど積もっていたと伝える。

原典より

南蛇井のある家に、何千という蛇が出て来てその家にからまった。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)

『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。

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