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弘法大師が蚊を封じた涸沢の集落

所在地群馬県富岡市南後箇涸沢
年代伝承
登場弘法大師
出典富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話

どんな伝承か

涸沢はかつて人家がまばらで、萱や木が茂り、真ん中を涸沢川が流れて一年中じめじめした土地だった。川辺に一人暮らしの老婆がいて、ある夏の夕暮れ、汚れた法衣の僧が蝦夷地へ向かう途中だと言って一夜の宿を求めた。老婆はこの土地は蚊が多いと渋ったが、旅装束だから蚊の心配は要らないという言葉に折れて泊めた。翌朝、僧は礼としてこの地に蚊が出ないようにしようと告げ、経文を紙に書き、蚊の湧く水溜まりに投げ込んで立ち去った。僧は諸国を巡る弘法大師だったといい、それ以来この集落に蚊はいなくなったと伝えられる。

原典より

昔涸沢には人家も少なく、萱や樹がおい茂り、涸沢川が真中を流れて一年中じめじめとしていた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)

『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。

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