三本辻で足の止まった夜の川渡り
どんな伝承か
高瀬で語られた話。語り手は友人と富岡へ出かける約束をしていたが、裏手の橋が流されていたため浅瀬を渡って来るように言われた。ところが浅い場所が見当たらず、神田を回って行こうと歩き出したところ、三本辻まで来たとたんに体が震え、髪の毛が逆立って、どうしても先へ進めなくなった。仕方なく裸になって川へ入ってみたが、どこも渡ることができなかったという。土地では、狐はこちらでコーン、あちらでコーンと鳴きながら、たいそう速い足で飛び回るものだと言われている。
原典より
友人と富岡に行く約束をして、そのとき裏の橋が流れたので浅い所を渡ってこいといわれた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。