馬に乗り陣笠を冠る雷公の噂
どんな伝承か
享保の頃、巣鴨に住む大久保某が馬の稽古の帰り、雨と雷の中を駒込まで乗り切ってきた。ひときわ激しく鳴った拍子に馬が驚き、閉ざされた町家の戸を蹴破って前足を畳に乗せてしまう。人々に引き出してもらい、そのまま家へ帰った。翌日、家来が様子を見に行くと、昨夜は駒込片町へ雷が落ちたと噂になっている。落ちた先はまさに戸の破られた家で、雷は馬に乗り陣笠のようなものをかぶっていた、と町の者は語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。