トップ > 京都府の伝承 > 京都市

教通室に小松僧都の霊が憑く

所在地京都府京都市
年代平安中期(十一世紀)
登場教通の室、小松僧都の霊、心誉僧都、藤原教通、北の方の夫
出典日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史

どんな伝承か

平安中期、教通の室が懐妊してから人々の間に霊異のことが続き、御読経・御修法が行なわれた。出産後も病悩がつのり、験者が集まって加持したが、物怪は巫女にも移らず正体も明かさない。以前、室が御産をするたびに小松僧都の霊がしばしば現れていたので、教通は今度もそれかと思った。心誉僧都を招いて加持を強化すると、いつも憑き慣れた女房に物怪が乗り移り、小松僧都の正体が現れた。祈禱の激しさに耐えかねた霊が、加持を停めて引声念仏にしてくれと頼み、教通がこれを聞き入れると、加持の著効も空しく、北の方はそのまま息が絶えてしまった。後に呪詛や東宮傅道綱室の物怪であるとかの噂も立ったという。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・1976年(昭和51年))

『日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史』は、山折哲雄が一九七六年に著した日本の霊魂観をめぐる論考集である。和辻哲郎・津田左右吉・折口信夫・柳田国男らの霊魂論を検討したうえで、『日本霊異記』に見える遊離魂と殯、天皇霊と玉躰加持、憑霊と除祓、観想と鎮魂を論じる。『春秋』『季刊現代宗教』などに発表した論文を序章と四章にまとめ、巻末に物のけ現象の資料と憑霊年表を付す。

種別から探す

加持念仏口寄せ

京都市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史』の伝承