例一 唱歌を唱つた幽霊
どんな伝承か
大正十一年十月、横濱の税関桟橋で小学生が魚釣り中に行方不明になった。釣竿が海に浮かび、学帽と下駄だけが桟橋に残された状態で発見され、少年の溺死が疑われた。その後の捜索により、海中から遺体が引き上げられたとされている。
原典より
大正十一年十月二十九日の夕方、横濱の税闘の桟橋へ、一人の小學生徒が魚釣りに来て、後刻その姿が見へなくなつた。—— 心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年))
『心霊不滅』は、岡田建文が著し、昭和十五年に大阪の国民書院が発行した心霊研究書である。人の心霊は肉体の死後も存続するという立場から、心霊の本質、遠感と魂の遊離、生霊、二重体、交霊術と霊媒、霊感筆記、幽霊写真などの物理現象、幽霊の出現を論じ、明治・大正の国内の見聞と欧米の報告を事例に挙げる。総説から幽霊現象まで七章からなり、各章に「例一」「例二」と番号を付けた事例を並べる。