小正月の夜に遊ぶ雪女
どんな伝承か
柳田国男は『遠野物語』第百二話に雪女のことを記している。小正月の夜、または小正月でなくとも冬の満月の夜には、雪女が出て遊ぶという。童子をたくさん引き連れて来るとも言われた。里の子どもは冬になると近辺の丘へ行き、橇遊びに興じて面白さのあまり夜になることがある。そこで十五日の夜に限っては、雪女が出るから早く帰れと戒められるのが常であった。もっとも、雪女を見たという者は少なかったという。遠野では小正月の夜や冬の満月の夜に、村の子どもたちが早く家へ帰るよう言いつけられていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。