酒を買いに来る獺と雪の老婆
どんな伝承か
仙台城下の鈴川屋という酒屋は、夜更けが一番客で繁盛したという。カワウソが一升びんをさげて来ては五合買っていった。体が冷えて酒を呑まぬと眠れぬのだそうだ。ある時ぱったり来なくなり、忘れていった破れ笠の始末に困っていると、十日ほどしてカワウソの女房が笠を貰いに来て、夫は先日死んだと告げた。酒屋は香典を包んで送った。雪の日には笠をかぶった老婆が、姫さまの酒七合と自分の三合を買いに来た。これも来なくなり、代わりに美しい女が現れ、おしろい婆は凍え死んだのでこれからは自分が来るといった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承