奥女中の仇を討った有馬家の化け猫
どんな伝承か
講談「有馬の猫騒動」。筑後久留米二十一万石を領した有馬家九代頼豊の夫人は出雲松江藩松平家の娘で、里方から従ってきた奥女中が殿の寵愛を受けた。これを妬んだ他の奥女中たちが彼女をいびり自殺させる。女主人の仇を討とうとした下女を、亡き女主人が可愛がっていた猫が助け、老女の咽喉を噛み切り、足軽や家来山村典膳の老母をも食い殺して老母に化けた。殿を襲った獣に典膳が一太刀浴びせると老母の額に刀傷があって露見。典膳は力士小野川喜三郎の力を借り、火の見櫓に潜む化け猫を退治したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。