枝を切って大蛇に追われた総代
どんな伝承か
東領家の三十番神社に立つサイカチの木は、樹齢四百年を超えるとされ、そこには大蛇が棲むと言い伝えられてきた。天保のころ、社の総代を務めていた岩田浅右衛門が、この木の枝が邪魔だといって切り落とした。すると幹の空洞から大蛇が姿を現し、浅右衛門を追いかけてきた。命からがら実相寺へ逃げ込み、住職に拝んでもらって、ようやく命拾いをしたのだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)
『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。