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土中に生まれた通幻と母子草の餅

所在地兵庫県三田市永沢寺(永澤寺)
年代伝承(口承)
登場通幻、永沢寺の開祖・土中で生まれた子
出典井上円了 妖怪学講義

どんな伝承か

『近代世事談』が蓬餅の由来として伝える話。三月三日に母子草で餅を作る風習は、摂津の母子村にある永沢寺の開祖、通幻に始まるという。通幻は因幡の国磯辺の人で、俗名を永沢家光といった。母が彼を身ごもったまま亡くなり、葬られた土の中で生まれた子だったと伝えられる。成長すると出家して母の菩提を弔い、諸国を巡ったのち摂津に来て寺を開き、永沢寺と名づけた。その土地を母子村といい、そこに生える母子草で餅をこしらえて三月三日に母を弔ったことから、これが年ごとの行事になったのだという。

原典より

此通幻は因幡の国磯辺の人なり、俗名を永沢家光と云り、母懐胎の時死して土中に産れたる子なり—— 井上円了 妖怪学講義(井上円了 著・平野威馬雄 編) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

井上円了 妖怪学講義(井上円了 著・平野威馬雄 編)

『井上円了 妖怪学講義』は、明治期に哲学館で講じられた井上円了の『妖怪学講義』から要所を選び、平野威馬雄が現代の文章に改めて編んだ抄録である。狐憑きや化物屋敷、怪火、幽霊、コックリなどを題材に、円了が古書から抜き出した記事、各地から寄せられた報告、円了自身の現地での調べを収める。原著の八部門のうち理学・心理学・宗教学・雑の四部門を章に立て、序で研究の経緯と分類を、結びで編者の見方を述べる。

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