大正末まで村を巡った瞽女と来訪者
どんな伝承か
成田市の昔話が全国的な話型を伝えているのは、村々を訪れてくる来訪者の存在にもよると編者は見る。台方の宍倉左門は、瞽女が大正時代末期まで夏や冬に三、四人づれで来て、歌や語り物、万歳調のかけあい、さらに地名伝説なども語ったと述べている。ほかにも毒消し売り、旅館に泊まって歩く富山の薬売り、茨城や埼玉から来る屑買い、筑波からのほうき売り、銚子や九十九里からの魚売り、正月の獅子舞などが挙げられ、いずれも話を持ち歩く伝播者でありえたとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。