小僧と餅
どんな伝承か
住持と小僧がいた。住持は餅を焼いて食べても小僧には食べさせなかった。小僧は何とかして食べようと構えていた。ある時、住持が使いに行って来いと言うので出かけたが、すぐに帰って来て様子を窺うと、住持は火鉢の中へ餅をみな入れて焼いていた。そこで、ただいまと言って戻り、火鉢の端に座った。小僧は、これからこう行くと餅があったと言って取って食べ、それからこう行くとまた餅があったと言って、住持の焼いていた餅をすべて食べてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。