ぬけまいり
どんな伝承か
ある所へ娘を嫁にくれと言って来た。家の娘は何も知らないがと言うと、構わない、うちで教えるからというので嫁にやった。田舎から町がかった所へ行ったのである。ある晩、嫁が便所へ行きたいと言って上品に「さんぐに行って来ます」と言うと、婿は夜は行けない、明日行けと言う。それでも今晩行かねばと言い合ううちに、小便が出てしまった。婿が驚くと、嫁は、さんぐに行きたいと言うのに行かせてくれないので抜け参りをしましたと言ったという笑い話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。