六部谷
どんな伝承か
六部が大金を持っているのを知った者が、小豆飯をさしあげるからと引きとめた。鍋に塩を入れて小豆の煮えるのを遅らせ、待ちかねた六部を谷まで誘い出して殺してしまったという。それから、あやしげな鈴の音や六部の鉦の音に誘われて、六部谷の奥深くへ入って行った人もある。炭焼きをしていると何度も炭がまの天井が落ちるので祈禱してもらったところ、六部を埋めた石をかまに使っていた。その石をすべて集めて六部の墓を祀ってからは、あやしいことは起きなくなったという。
原典より
六部さんが大金を持っているのを知り、小豆飯をさしあげるからと引きとめた。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。