人型とクダ狐を箱に入れて回るイチッコ
どんな伝承か
憑きものを使うと言われた人々の例として、山梨県南巨摩郡の三里村(現在の早川町)のことが挙げられている。ここでは正月や盆などに村々を回ってくるイチッコと呼ばれる巫女がいて、長野県の殿城村に回ってきた口寄せ巫女と同じように、背負って歩く箱の中に人形とクダ狐を入れていたという。
原典より
山梨県南巨摩郡三里村(現・早川町)では正月や盆などにまわってくるイチッコが(『民俗』一五号、土橋里木氏稿)、…—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。