雪中も暖かく金色に光る三つの巨石
どんな伝承か
柳田国男の炭焼長者の研究によれば、宇佐八幡の託宣集や八幡愚童訓の別本に、宇佐の山の上に特に神霊として崇められた三つの巨石があったと記されている。火の神とは伝えられていないものの、寒い雪の中でもその石には暖かさがあるといい、また金色の光を放って都の方角を指すともいわれた。三つの石はかまどの最初の形であり火の神の象徴だとされ、柳田はこれを沖縄で三つの石を火の神として祭る習俗と結びつけて考えた。
原典より
火の神とは伝へて居らぬが、寒雪の中にも暖気ありといひ、又は金色の光を放つて王城の方をさすとも謂つて居る。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。