八月十五日から重陽へ移った八幡の祭日
どんな伝承か
茨城県多賀郡の旧高萩町安良川にある八幡では、昔は八月十五日に祭りを行っていたというが、明治の初めごろには陰暦九月九日から三日間にわたって執り行った。原典は、秋祭りが神社の違いにかかわりなく、盛んになってきた九月九日の重陽の節供に引き寄せられて祭日が変わった例の一つとしてこれを挙げ、熊本の今藤の祇園祭の例と並べている。
原典より
茨城県多賀郡高萩町(現・高萩市) 安良川の八幡では、昔は八月一五日に行なっていたよしであるが、明治初年のころは陰暦九月九日から向こう三日間執行した(『民間伝承』三ノ七、P2)。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。