大石寺に残る日蓮の歯の肉
どんな伝承か
創価学会は、牧口常三郎が教育者の立場から説いた「価値論」と日蓮正宗の信仰が結びついて教えを形づくった。民間信仰や他宗には合理的で唯物論的な立場から攻撃を加える一方、日蓮主義に立つために、中世に日蓮が吸収した民間信仰がそのまま持ち込まれているという。その一例として、大石寺に残る日蓮の歯に肉が盛り上がってきたという話が語られる。昭和三十三年の改訂より前の『折伏教典』には、題目を唱えれば死人の顔つきが福相に変わる、病弱や貧富の差は前世の生活の報いだ、といった功徳談や因縁論も載っていたが、改訂版ではことごとく除かれたという。
原典より
一例をあげると、大石寺にのこされている日蓮の歯の肉がもり上がってきたといい、…—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。