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弘徽殿に立つ衣冠の鬼と人馬の声

所在地京都府京都市上京区(弘徽殿)
年代承平元年六月二十八日
登場—
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

承平元年六月二十八日の未の刻、衣冠を着けた身の丈一丈ばかりの鬼が弘徽殿の東の欄干のあたりに現れ、ほどなく消えた。夢だったと言う人もいて、確かなことは分からない。その頃、十夜ほどにわたって、八省院と中務省の東の道との間で、東へ向かう人や馬の声が大勢聞こえたが、実際には何もいなかった。これも鬼のしわざだろうかと古今著聞集は伝えている。

原典より

承平元年六月二十八日未の刻に衣冠者たる鬼のたけ一丈ばかりなるが弘徽殿の束の欄のほこりに現じて、やがて失せにけり。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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