天慶元年に辻に現れた両頭の蛇
どんな伝承か
本朝世紀の記事として著者が引くもの。天慶元年八月七日、東院の東の路と都芳門の路が交わる辻に、頭が二つある蛇が現れ、大勢の人がこれを見たという。著者は、多頭の蛇は比喩として語られることが多いが、実際に頭の二つある蛇も生まれることがあり、日本にもその記録があるとして、看聞日記の記事などとあわせて紹介している。
原典より
天慶元年八月七日辛巳、東院東路與都芳門路辻有兩頭蛇諸人見之—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。