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縁起の吉剣を突き返した武士

所在地京都府京都市中京区
登場大坂屋久兵衛、ある武士、吉剣を売りに来た刀こしらえ屋
出典日本の妖怪

どんな伝承か

天明の頃、京都に新井謙吉、号を白峨という学者がいた。世上に妖異談や幽霊談、呪術や卜易が流行することを苦々しく思い、『闇の曙』を著して愚俗を惑わす道具を列挙した。その中に吉剣流行についての一話がある。京都二条に大坂屋久兵衛という刀こしらえ屋がいて、丹波守吉道作のいわゆる吉剣という売物を手に入れ、ある武士のもとへ持参して求めるよう勧めた。武士が誰の所持でなぜ売るのかと問うと、久兵衛は相応の人物だが金子が払底し当用に差し支えるからだと答えた。すると武士は、吉剣を持ちながら貧乏するのなら吉剣は益に立たぬ、武士は骨が切れれば事足りると言って迷信を退けたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・1973年(昭和48年))

『日本の妖怪』は、早川純夫が一九七三年(昭和四十八年)に著した妖怪史の読み物である。『出雲風土記』『日本書紀』から『日本霊異記』『今昔物語』、江戸の『新著聞集』などの随筆までの古典に記された妖異を、かかわりのある実在の人物や事件とともに古代から近世へ時代順にたどる。全八章で、引用は意訳を交えて『』でくくり、仏教談や霊験談、地方の民話はおおむね除き、第七章には江戸の見聞録から選んだ二十話を並べる。

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