観音寺の別当家に伝わる男女別の墓
どんな伝承か
一つの家で男女の墓地を分ける例は各地にわずかながら見られる。青梅市に編入された塩船もその一つで、名高い観音を祭る観音寺の別当をつとめた家がそうであった。男の墓、すなわち代々の別当たちのものと思われる墓は観音寺の境内にあり、その妻たちの墓は村の共同墓地に置かれている。別当や法印のように特別な聖職にあった者を境内など清らかな場所へ葬るのは全国に広く見られる習わしで、その役につくのがたまたま男であったために、女は別に葬られ、女の墓地が別立てになったのだろうと著者は説く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。