蛇に石をのせた男の頭痛
どんな伝承か
上唐子のある人が、小さな蛇が叢にとぐろを巻いているのを見て、近くにあった大きな石を持って来て蛇の頭にのせた。蛇が石の下から逃れようとしてもがき苦しむのを面白がって眺め、そのまま家へ帰った。ところが家の玄関の敷居をまたいだとたん、頭を何か大きな重い物で押さえつけられたように痛くなり、胸がつぶれるように息苦しくなって、医者に診てもらってもどうにもならなかった。もしやあの蛇に石をのせた祟りではないかと、家人を叢へやって蛇の頭の石を取り除いてもらうと、そのとたんに雲霧が晴れるように頭痛も息苦しさも治ったという。
原典より
家の玄関の敷居をまたいだとたんに、その人は頭を何ものか大きな重いもので押えつけられたように痛くなり、胸がつぶれるように息苦しくなり、医者に見てもらったがどうにもならなかった。—— 東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史)
『東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説』は、東松山市の市史の民俗編のうち、伝説の部分を収めたものである。岩殿山の悪龍退治や比企一族の落人の話、永福寺の河童の詫証文、箭弓神社の銭絵馬、狐に化かされた話、神かくし、雪女郎など、市内の寺社・坂・沼・塚にまつわる四十六話を載せる。多くは会話を交えた物語の形で書かれ、筆者が幼い頃に母から聞いた話や古老から聞いたままの話も含み、末尾に〔 〕で由緒や文献の注を添える。