小町永徳寺の稲荷と油揚げ盗みの罰
どんな伝承か
小町の永徳寺境内に稲荷社がある。成立時期は分からないが、享保十年(一七二五)の「柏崎町鑑帳」に稲荷大明神・諏訪大明神・青龍権現の三社が記され、いまの稲荷社はその頃からのものと考えられている。この稲荷はコンコン、クワイクワイと鳴くといわれ、酢屋火事や日野屋火事の折にも毎晩鳴いたと伝わる。町内の悪童が供え物の油揚げを盗み食いしたところ、その場で目が見えなくなって帰れなくなった。帰りの遅い子を案じた親が永徳寺の住職に伺いを立てると、大門の稲荷社の御堂で油揚げを盗んだ罰で禁足を受けているから、倍の油揚げを供えて詫び、子を返してもらえと告げられた。そのとおりにすると禁足は解かれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。