白芋の花とスミレの火事予兆
どんな伝承か
防火思想の乏しかった明治期の柏崎では大火が相次ぎ、明治十三年の酢屋火事で九百九十戸、明治三十年の日野屋火事で千二百三十六戸が焼けるなど、記録に残るだけでも大きな火事が幾度も起きた。そのため柏崎では半鐘が鳴ったらまず外へ飛び出して空を見ろと言い伝えられ、「白芋の花が咲くと火事」「スミレが縁の下で咲くと火事」など、ふとした自然の異変から火事の予兆を読み取ろうとした。火事にはいつも思いがけなさが伴い、油断から全財産を灰にしてしまうのだと戒められている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。