大沢の火止め地蔵
どんな伝承か
大沢に通称カツボという所がある。カツボとはお盆に精霊菰などにする真菰のことだが、そこに「火止め地蔵」という石の地蔵が今も草の中に野の仏としてひっそり立っている。大沢の村は鯖石川を挟んで東西に分かれて発達し、西側のほうが文化や宗教、経済の面で進んでいたらしい。いつのころか東側に大火が起こり、ほとんどの家が焼け出される惨状になった。ところが火がカツボの地蔵さんのところまで来ると、紅蓮の炎もぴたりと止まり、そこから先へは火勢が及ばなかった。これは地蔵様が守ってくださったのだといい、それから火止め地蔵と呼ばれるようになったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。