巨人の尻餅でできたじんだら沼
どんな伝承か
相模野の真ん中、横浜線の淵野辺駅から東南へ一里足らずの所に、大沼と小沼という二つの沼がある。昔、大太良坊という途方もなく大きな人がここへ来てジンダラを踏み、その尻の跡がくぼんで二つの沼になり、前に垂れていたものを引きずった跡がふんどし窪になったという。ジンダラはこの地方の言葉で、両足を投げ出して尻餅をつくことである。松屋筆記には、大だら坊が富士山を背負って行こうとして綱にする蔓を探したが見つからず、腹を立てて去ったので、このあたりには葛や藤が生えないとある。柳田は晩秋に現地を訪ねたが、村人からはもうこの言い伝えを聞き出すことができなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。