天王寺で未来記を読んだ楠正成
どんな伝承か
楠正成は、後醍醐天皇に新田義貞を討って足利尊氏と和睦するよう進言したが容れられなかった。正成はこの結末を予知していたといい、その秘密は聖徳太子が著したという『未来記』にあった。天王寺に参籠していた折にこの書をひもとき、『人王九十五代ニ当ッテ天下一タビ乱レテ主安カラズ』の一節を、後醍醐帝の治世の混乱を予言したものと読み解いたと伝えられる。
原典より
正成は天王寺に参籠していたときに、たまたまこの書をひもといた。—— 呪術と占いの日本史(渋谷申博・瓜生中・呪術・占い史・1992年(平成4年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
呪術と占いの日本史(渋谷申博・瓜生中・呪術・占い史・1992年(平成4年))
『呪術と占いの日本史』は、渋谷申博・瓜生中が平成四年に著した日本呪術史の概説書である。縄文の屈葬や土偶、卑弥呼の鬼道から中世の呪詛、近世のおかげ参りと「ええじゃないか」を経て、明治の神仏分離と修験・祈禱の禁止までを、記紀や史書の記事と民俗の断片から拾い上げる。古代・中世二章・近世の四章を小項目に分けて立て、表の歴史に現れない民間信仰を「闇」の系譜としてたどる。