左右の目を取り違えて化けた狐
どんな伝承か
磐梯山の麓の村に爺と婆が暮らしていた。ある晩、山へ行った爺が帰ってきたが、迎えた婆が見ると、いつも潰れているはずの左目が輝き、右目がしょんぼり凹んでいた。狐が爺に化けたと察した婆は、酔ったときの癖だといって俵に入れて寝かせ、縄をかけ、火棚の上へ担ぎ上げて生松葉でいぶした。いぶされた狐はついに長い尻尾を出し、そこへ本物の爺が帰ってきた。左右の目を取り違えて化けたばかりに、狐は狐汁にされて食われてしまったという。
原典より
むかし、磐梯山の麓の村に爺と婆がつつましく暮らしていた。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。