熱田神宮の雨乞いと高島嘉右衛門
どんな伝承か
明治の実践的な易学の大家として知られた高島嘉右衛門(呑象)が、明治二十一年に熱田神宮の職員を前に講演したときのこと。日照りに苦しむ近くの村の農民たちが参拝に訪れ、神職に雨乞いの祈禱を願った。神職は神殿の前で祈りを捧げて下がってきたが、高島から神意はどうであったかと問われても答えられず、ただ苦笑するばかりだった。高島は、主人の言いつけを聞き取れない使用人にたとえて、神の心をうかがえない神職はそれと変わらないとたしなめ、すぐにその場で自ら筮を立てたという。友清歓眞の『霊の世界観』が伝える逸話である。
原典より
神殿大前で祈禱して退下した神職に、高島が、神意は如何、と問うた。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。